当店の特徴としては「黒デミ」。それは、「漆黒のデミ」という言葉にふさわしい色。そして、味わいは、ほのかな苦味、そして、なんとも言えない深みがあります。それは、短時間で出来上がるものではありません。
2017年、BSフジテレビ「極皿」で放映され、「2週間じっくり煮込んだデミグラスソース」として紹介されました。今も、その時と同じく提供させていただきております。
どうして、このようなソースにしたのか?
やはり、幼少期の記憶ではないでしょうか?私がまだ小学生時、今はとっくに無くなった洋食屋さんの味です。それを子供心に、なんとなく「大人の味」に感じたのは確か!
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このソース、全て一から作るとなると、手間及び、材料の問題があります。効率的にお店を営業していくことを考えると、既製品をいかにアレンジして、お店の味にするか?ということが大事だと思っております。
当店でも、市販されている缶詰を使用して「デミグラスソース」を作っています。
デミグラスソースの作り方
① 寸鍋に、缶詰のデミグラスソース、トマトホール、ミルポワ、焼いた牛筋を水を入れて煮込みます。
② 浮いてきたアクを丁寧に取ります
③ ある程度したら、シノワで濾し、新たに、ミルポワ、牛筋を加え、再度煮込みます
④ 2〜3回繰り返したら、鶏ガラを焼いたものを加えます
⑤ ソースの色を出す為に小麦粉を褐色に炒めそれを加える(エスパニュール)
⑥ 最終的に濾したソースをブールマニエを使って、ある程度の濃度を作り、赤ワインを煮詰めた物を加え、味を整える
⑦ 最後に目の細かいタミで濾して仕上げます
⑧ この作業で2週間ちょっとかかります
お店では、営業時間以外も鍋を火にかけているので、結構な時間を費やしております。
是非、こうして作られた、当店の「デミグラスソース」、お試しくださればと思います。ご来店おまちしております!
「赤デミの誕生」
今まで、開業以来1種類のデミグラスソースを作り続けていましたが、テレビ放映をきっかけに改めてデミグラスソースを特化するために作ったのが「赤デミ」です。
両者とも非なる物という事を重点に置いて、色、味わいを真逆のものに仕上げました。
しかし、「黒デミ」と同じように、二週間以上かけるということは時間的にもコスト的にも難しいので、短時間で仕上げたものにあっております。
「赤デミの作り方」
① 寸胴に缶詰のデミグラスソース、トマトホール、焼いた牛筋、ミルボワ、水を入れて煮込みます
② 浮いてきたアクを丁寧に取ります
③ 1日煮込んだら、シノワで濾します
④ もう一度、焼いた牛筋、ミルポワを加え、1日煮込みます
⑤ これを再度濾し、野菜の甘みを加えたいので、玉ねぎ、にんじんをピューレ状にしたものを加え、再度加熱し、濾し、生クリーム等で味を整えて完成させます。約3日間の工程です!